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研究・繁殖・環境
2022.09.27

ベルーガ「グレイ」の妊娠について

名古屋港水族館では、北館の開館当初より継続して鯨類の繁殖研究を進めてきており、このたびベルーガの「グレイ」が妊娠しました。当館での「ベルーガ」の妊娠は、11年ぶりです。超音波(エコー)検査、その後の経過観察の結果、胎児も順調に育っており、「グレイ」のホルモン状態も安定しています。順調にいけば、令和5年7月から9月頃に出産する予定です(妊娠期間は14~16か月)。元気な赤ちゃんベルーガが無事生まれますように、皆様には温かく見守っていただきたいと思います。
名古屋港水族館では、現在までベルーガは5回出産し、2頭(「ナナ・15歳・メス」、「ミライ・10歳・オス」)がすくすくと成長しています。

個体データ

妊娠個体 オス個体
個体名 「グレイ」 「ニコ」
推定年齢 23歳 15歳
体長 388㎝ 454㎝
体重 757㎏ 1,255㎏
搬入日 平成13年4月18日 平成28年8月2日

妊娠個体「グレイ」とオス個体「ニコ」

ベルーガ「グレイ」の超音波(エコー)画像(令和4年8月26日撮影)
胎児の大きさ:約20㎝(妊娠4か月)

ベルーガ

ベルーガは、北極圏、またはその周辺海域に生息し、交尾や出産も春から夏にかけて行われ、新生児は、濃い灰色で生まれる。大きくなるにつれて次第に白くなり、12歳頃には、ほどんど全身が白くなる。群れで行動する時「海のカナリア」と呼ばれるカナリアのさえずりのような鳴き声を頻繁に発する。背びれがなく、頭は小さい丸い。頸椎が融合していないため、頭を自由に動かすことができる。食性は魚以外にも色々な小型の甲殻類や軟体動物などの底生動物も食べる。