イルカの調査にもコロナの波が
今回は、水族館ではなく野生のイルカの話を。
東京から南へ200km。伊豆諸島にある御蔵島をご存じですか。人口300人程度の小さな島におよそ150頭のミナミバンドウイルカというイルカが定住しています。1994年から、このイルカ達の個体識別調査が継続的に行われ、今では1頭ごとに名前がつき、親子関係なども明らかになっています。個体識別ができているので、イルカたちの社会性なども明らかになってきました。御蔵島には毎年研究者や学生が集まり、イルカ研究の一大拠点になっています。一昨年には当館のイルカトレーナーも大学の先生方に同行して、御蔵島で野生のイルカの生息地研修を行いました。
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イルカを観察する名古屋港水族館の日比野トレーナー(手前)
日比野トレーナーが撮影したイルカの写真
さて、この御蔵島のイルカ調査にも新型コロナウイルスの影響が押し寄せているそうです。島の生活を守るために、現在観光目的での入島は制限されています。もちろん観光目的のイルカウォッチングも実施されていません。実はイルカ調査にはこのイルカウォッチングの収益の一部が用いられ、さらにはイルカウォッチング船に調査員が便乗させてもらうことで成り立ってきました。26年間続いてきたイルカ調査も中断の危機だそうです。
そこで2020年4月30日から期間限定で、調査の主体である御蔵島観光協会がイルカ調査の調査費の寄付を募集しています。下記リンク先のWEBサイトで寄付金を募集しているのですが、そのページ内では御蔵島のイルカの写真とともに、なぜ今年も調査を継続したいのかが詳しく書かれています。興味のある方は是非ご覧ください。
【御蔵島イルカ個体識別調査】継続支援プロジェクト!
https://camp-fire.jp/projects/260661/preview?token=2szq3lkk
名古屋港水族館は野生動物の研究を応援しています。