スタッフブログ
2019.06.12
待つこと5時間…
名古屋港水族館では、岐阜大学と学術交流協定を結び、シャチの繁殖に関する研究を行っています。
先日研究室にお邪魔して、研究の様子を見学させていただきました。
この研究室ではシャチの糞(ウンチ)の分析を行っています。
採った糞はこのチューブにいれて研究室に送ります。シャチの糞は緑色です。

この糞を一体どのようにして分析しているのでしょうか?
今回は糞の処理の様子を見せてもらいました。
まずこのシャチの糞をアルミホイルに乗せて、バットに並べます。

これを乾燥機に入れて、待つこと5時間…

水分が抜けてかりっかりになっています!
これを小分けにして、砕いて粉にします。

ここから魚の骨などの糞以外の余計なものを取り除き…

測りとっていきます。

たったの0.1 gですが、ここにたくさんの情報がつまっています!!

これでシャチの糞の下ごしらえは終了です。
ここからさらに性ホルモンを抽出して、測定します。測定にはさらに2日かかります。
この結果から排卵周期や動物が性成熟したかどうかが分かります。
今回は5時間ほどで乾燥できましたが、もっと時間がかかることもあるそうです…
かなりの手間がかかっていますが、こうした地道な作業の先に大きな研究成果があるんですね。
ちなみに乾燥したシャチの糞からは、ほのかにお魚の香りがしました。
今回訪問した研究室は岐阜大学動物繁殖学研究室です。
興味のある方はHPをチェックしてみてください。