2025.06.22 研究
過去に行ったアカウミガメの放流調査のデータを最新の方法で解析した結果が論文に掲載されました
名古屋港水族館では絶滅の危機に瀕しているアカウミガメの保全を目的とした調査・研究に取り組んできました。1997-2013年の調査データはすでに論文で発表してきましたが、最新の解析方法で分析した結果が学術誌に掲載されました。
論文タイトル | Swim, baby, swim : the active dispersal scenario of juvenile North Pacific loggerhead turtles revealed by historical satellite tracking data and novel operational oceanography products.
およげ、こがめくん!:過去の衛星追跡データと新しい海洋予測プログラムによって明らかになった北太平洋のアカウミガメ幼体の能動的な分散の概要 |
著者 | Philippe Gaspar, Julien Temple-Boyer, Dana K. Briscoe, Masanori Kurita, Denise M. Parker, Jeffrey J. Polovina, Marc R. Rice, Tomomi Saito, George H. Balazs
下線太字が名古屋水族館((公財)名古屋みなと振興財団)職員 ※Mercator Ocean International、スタンフォード大学、カリフォルニア大学、Golden Honu Services of Oceania、米国大気海洋局(NOAA)、Hawaii Preparatory Academy、高知大学との共同研究 |
掲載誌 | Movement Ecology, 13:39. https://doi.org/10.1186/s40462-025-00562-5 |
論文概要 | 1997年から2013年かけて名古屋港水族館で育成した198個体を含む232匹のアカウミガメに送信機を取り付け衛星追跡したアカウミガメの回遊経路を最新の技術を使って解析しました。様々な海洋観測データと物理モデルを組みわせて海洋の状態を再現するプログラムや波の高さと周期を再現するプログラムを使って解析した結果以下、以下のようなアカウミガメの幼体の行動が分かりました。
①幼体のアカウミガメは春と夏に北へ、秋と冬に南へ約 1,000㎞の季節的な移動を行う。 |