2025.02.04 研究
飼育鯨類の疾病診断、治療に関する論文が掲載されました
名古屋港水族館で飼育しているベルーガにおける疾病診断、バンドウイルカにおける治療に関する2つの論文が学術誌に掲載されました。
①
| 論文タイトル | Bronchoalveolar lavage fluid is superior to blow samples for the identification of fungi in the lower respiratory tract of beluga whales (Delphinapterus leucas). ベルーガの下気道由来真菌の同定における、気管支肺胞洗浄液の呼気検体に対する優位性 |
| 著者 | Takashi Kamio, Yukako Odani, Wataru Ohtomo, Akira Ogushi, Yuichiro Akune, Masanori Kurita, Ayaka Okada, Yasuo Inoshima 下線太字が名古屋港水族館（（公財）名古屋港振興財団）職員 ※岐阜大学応用生物科学部共同獣医学科との共同研究 |
| 掲載誌 | The Journal of Veterinary Medical Science, 87(1): 119–122. https://doi.org/10.1292/jvms.24-0159 |
| 論文概要 | 本研究で気管支鏡検査により得ることのできる気管支肺胞洗浄液が、ベルーガの下気道真菌の同定に呼気検体より高い信頼性を持つことが明らかになりました。この結果は、鯨類の呼吸器感染症の診断精度向上に寄与する重要な成果です。 |
ベルーガ Delphinapterus leucas
②
| 論文タイトル | Successful Treatment of Fungal Dermatitis in a Bottlenose Dolphin (Tursiops truncatus). バンドウイルカにおける真菌性皮膚炎の治療成功例 |
| 著者 | Takashi Kamio, Honoka Nojo, Rui Kano, Mami Murakami, Yukako Odani, Koji Kanda, Tomoko Mori, Yuichiro Akune, Masanori Kurita,, Ayaka Okada, Yasuo Inoshima 下線太字が名古屋港水族館（（公財）名古屋港振興財団）職員 ※岐阜大学応用生物科学部共同獣医学科との共同研究 |
| 掲載誌 | Microorganisms, 13:106. https://doi.org/10.3390/microorganisms13010106 |
| 論文概要 | 本研究は、重度の消化器疾患を抱えたバンドウイルカの尾びれに発生した真菌性皮膚炎を、抗真菌薬のボリコナゾールとテルビナフィンの併用療法および外科的処置で治療に成功しました。この結果は、鯨類の真菌感染症治療に新たな可能性を示す重要な成果です。 |
バンドウイルカ Tursiops truncatus