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研究・教育普及
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研究・教育普及 RESEARCH & EDUCATION

2026.07.10 繁殖研究

ベルーガの分娩予測と繁殖管理に関する研究が国際学術誌に掲載されました

名古屋港水族館で25年間にわたり蓄積してきたベルーガの繁殖データを解析した研究成果が、国際学術誌に掲載されました。

論文タイトル Longitudinal Multimodal Monitoring of Eight Captive Beluga Whale (Delphinapterus leucas) Pregnancies over a 25-Year Period
著者 Takashi Kamio, Wataru Ohtomo, Yuichiro Akune, Masanori Kurita, Yasuo Inoshima

下線太字が名古屋港水族館(公益財団法人名古屋みなと振興財団)職員 ※岐阜大学との共同研究です。

掲載誌 Animals, Volume 16, Issue 13, Article 2062

https://doi.org/10.3390/ani16132062

ベルーガの安全な出産には、分娩時期を正確に予測し、異常妊娠を早期に発見することが重要です。しかし、ベルーガでは長期間にわたり妊娠経過を詳細に調査した研究は世界的にも限られています。

本研究では、名古屋港水族館で25年間に記録された8回の妊娠データを用い、直腸温、血中プロゲステロン濃度、摂餌量、行動の変化、胎子の心拍数、超音波検査など、さまざまな検査や観察結果を組み合わせて妊娠経過を解析しました。

その結果、正常に出産したベルーガでは、

  • 妊娠期間は平均466日
  • 分娩の約1日前に直腸温が平均1.6℃低下
  • 血中プロゲステロン濃度は分娩直前でも2~4 ng/mL程度を維持

することが明らかとなりました。一方、早産や死産などの異常妊娠では、妊娠期間、血中プロゲステロン濃度、胎子心拍数、超音波画像などに通常とは異なる変化が認められました。

これらの結果から、一つの検査だけではなく、体温・ホルモン・行動・超音波検査など複数の情報を総合的に評価することが、ベルーガの分娩時期の予測や異常妊娠の早期発見に役立つ可能性が示されました。

本研究成果は、ベルーガの繁殖管理技術の向上や母子の安全確保に貢献するとともに、飼育下における希少海洋哺乳類の繁殖技術の発展や種の保存への貢献が期待されます。

妊娠中のエコー検査
胎仔の心拍や大きさ、位置を確認します。

 

妊娠中ベルーガの直腸温の推移
正常な出産では分娩直前に直腸温の低下が認められ、異常妊娠でも同様の変化がみられる場合がありました。(出展情報:Kamio T. et al., Longitudinal Multimodal Monitoring of Eight Captive Beluga Whale (Delphinapterus leucas) Pregnancies over a 25-Year Period, Animals  202616(13), 2062; https://doi.org/10.3390/ani16132062, Fig. 1)