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水族館の活動 ACTION

2024.03.18 種の保存

古賀賞・初繁殖認定

生き物を見せるだけでなく、生き物の生態を解明し、その保護・繁殖を積極的に行うのも、水族館の重要な役割です。名古屋港水族館は、ウミガメ類をはじめとして水生生物の保護や繁殖を目的とした研究活動を実施しています。

繁殖賞と古賀賞

繁殖賞(2019年より「初繁殖認定」制度にかわりました)は、動物園・水族館で飼育している動物で、国内で初めての繁殖に成功した動物園・水族館に対し、授与されるものです。繁殖技術が向上や希少動物の種の保存を目的としています。
古賀賞は、古賀忠道博士(故人)の上野動物園長並びに日本動物園水族館協会長としての多年にわたる功績を記念し制定された賞で、飼育下の野生動物の繁殖における優れた業績に対して授与されるものです。

古賀賞受賞

ナンキョクオキアミ(2007年度)

ナンキョクオキアミの飼育は、非常に困難とされ、水族館での常設展示はもとより、海外の研究施設などでも成熟や繁殖などは不可能とされていました。名古屋港水族館は飼育設備やろ過設備の改良でナンキョクオキアミの閉鎖循環濾過環境下での長期飼育を実現し、さらに光周期や餌料など飼育条件を改善することで、世界で初めてナンキョクオキアミを飼育下で成熟—産卵—ふ化—成熟と完全なライフサイクルの再現に成功しました。
このナンキョクオキアミの長期飼育と継代繁殖を可能とした技術と工夫に対して、古賀賞を授与されました。

ナンキョクオキアミ

アカウミガメ(2010年度)

自然下、飼育下ともに基礎的な知見が少ない中、ウミガメが産卵上陸するための人工砂浜を併設した「ウミガメ回遊水槽」を造成し、餌の種類・質・給餌方法の工夫、さらには水温・水質・光周期などの環境条件の調整を行った飼育管理方法を確立しました。その結果、1995年に世界で初めて屋内飼育環境下においてアカウミガメの繁殖に成功しました。そのことに加え、雌雄の組み合わせを管理することで繁殖の促進と血統の維持管理に努めるなど、希少動物の種の保存に貢献したことが高く評価され、古賀賞が授与されました。

アカウミガメ

繁殖賞受賞・初繁殖認定 実績

名古屋港水族館は、これまでに18種類の動物で受賞しています。

受賞年度 動物名(写真は左が親、右が子)
1996年度 プラウンダーフィッシュ
1996年度 ヒゲペンギン
1997年度 イエローベリーロックコッド
1997年度 アデリーペンギン
1997年度 イールテールキャットフィッシュ
1998年度 クジメ
1998年度 イトマキヒトデ
1999年度 ホンヤドカリ
1999年度 スジエビモドキ
1999年度 ナンキョクイボナシイソギンチャク
2004年度 タイマイ
2005年度 ベルーガ
2007年度 ナンキョクオキアミ
2009年度 スッポンモドキ(ブタバナガメ)
2010年度 アカウミガメ
2014年度 キイロサンゴハゼ
2020年度 ガンテンイシヨウジ
2021年度 イッテンコテナガエビ

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