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スタッフコラム COLUMN

2023.12.07 その他その他

昭和基地で魚を飼う

飼育展示第1課松田@南極・昭和基地です。
南極での私のミッションの1つに「南極の魚を活きたまま運んで名古屋港水族館で展示する」というものがあります。現在、名古屋港水族館では5年前の第60次南極地域観測隊で採集された魚を展示中です。この度、南極の展示をさらに充実させるために、私が第65次隊に参加して魚を採集、輸送します。
昭和基地、南極観測船「しらせ」には魚の飼育専用設備はありません。さらに、オーストラリアのパースから日本までは空路で運ばなければなりません。そのため、最小限の設備で魚を飼育する必要があり、魚の輸送量は限られます。

魚を飼育している密閉バケツを入れたクーラーバッグ写真:魚を飼育している密閉バケツを入れたクーラーバッグ

魚はクーラーバッグの中に入れた密閉バケツの中で飼います。バケツの周りに保冷用の氷を入れます。「しらせ」船内でも同様の方法で飼育します。

クーラーバッグの内部。密閉バケツに魚を収容し、その周りに保冷用の氷を入れて水温を低く保つ。写真:クーラーバッグの内部。密閉バケツに魚を収容し、その周りに保冷用の氷を入れて水温を低く保つ。

現在、水温の維持、飼育密度、魚の大きさ、飼育水や保冷氷の交換頻度などを適正にするにはどのようにすればよいかを試行錯誤しながら見極めているところです。

バケツの中で飼育している魚の様子写真:バケツの中で飼育している魚の様子