2024.12.11 ペンギン
モフモフヒナの季節
秋が終わりすっかり寒くなり私たちが住んでいる日本もとうとう冬を迎えました。ここペンギン水槽で暮らしている4種類のペンギンはすべて南極やその周辺の島々に生息している種類です。南極は南半球に位置するため、季節は日本と逆です。ということは、現在南極は夏を迎えています。夏と言っても南極の夏は日本の夏と比べてすごく寒いです。ペンギン水槽では南極周辺の環境に近づけるため-2℃に設定されています。(ちなみに南極にある昭和基地の夏の平均気温は-1℃です。)
さて、9月に紹介したペンギン水槽の巣材搬入の記事は読んでもらえたでしょうか?あれから約2か月が経ちペンギン達は巣を作り卵を産みました。そうです、南極の夏というのはペンギンのヒナが産まれる季節です!!名古屋港水族館では11月14日今シーズン初となるジェンツーペンギンのヒナが産まれました!!!
名古屋港水族館では生まれたばかりのヒナが親に誤って踏まれてしまい死んでしまうリスクを避けるため、「初期人工育すう」を実施することがあります。
本来なら親ペンギンが餌として食べた魚やオキアミを胃の中で溶かした吐き戻しをヒナに与えるのですが、画像の様に飼育係が作った流動食を与え、産まれて数日間ある程度の大きさまで育ててから親元に返します。
ちなみに鳥というと生まれて最初に見たものを親と認識する「刷り込み」が有名ですが、初期人工育すうのように数日であれば大人のペンギンを親と認識するようです。
このジェンツーペンギンのヒナは産まれた時は90g程度しかありませんが20日経つと1113gと約12倍に成長しました。現在も順調にすくすく成長しています!親元に返されたヒナは大切にお腹の下で温めてもらいながら育っていきます。ヒナは大人のペンギンとは違いとてもモフモフしています。これはヒナのころにしか生えていない特有の羽根で、「綿羽(めんう 又は 幼綿羽)」といいます。
ヒナは毎日体重測定を行い、順調に成長しているかを確認します。体重測定のために抱きあげると、全身が綿羽でモフモフしており、とても温かいです。
成長するにつれモフモフした綿羽が抜け落ち、親ペンギンの様になるのでこのモフモフが見られるのはこの時期しかありません(>_<)
すっかり大きくなって親ペンギンのお腹からはみ出しましたが(笑)、ヒナはまだ親ペンギンが大切に守っているため観覧側から確認するのはなかなか難しいかもしれません(-“-)。しかし、親ペンギンに餌をもらったりする時にちらっと見られたらラッキーです!ジェンツーペンギンに続きアデリーペンギン、ヒゲペンギンのヒナも誕生して今シーズンは三種類揃いました!!今年も“大きくなあれ!極地ペンギンのヒナの体重測定”を南館3階ペンギン水槽にてお昼のフィーディングタイムの時間(13:00)で実施します!ぜひモフモフでかわいいヒナの姿を見に来てください!
飼育展示第一課 小林大樹