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スタッフコラム COLUMN

2025.05.04 カメ

涙の正体は??

 

こんにちは。

最近泣いたのはいつですか?

 

私の担当するウミガメたちも産卵の時に泣いていると言われています。

しかし、この涙の正体は・・・「余分な塩分」なんです!!

悲しいわけでも、痛いわけでもありません。

 

イルカやシャチは海水を飲まず、エサの魚から水分を得ています。水族館では、エサの他に、氷やゼリーを与え、プラスで水分補給を行っています。

いっぽう、ウミガメはというと、海水を飲んで水分補給をするんです。…でも、そのままでは塩分過多になってしまいますよね。そのため、ウミガメは塩分過多のならないように「余分な塩分」を濃縮して排出することができる「塩類腺」という器官をもっているのです。

 

「塩類腺」は眼球の後ろにあり、濃縮された「余分な塩分」がやや粘性のある液体となって目から排出されるので一見すると涙を流しているように見えるんです。

つまり、ウミガメの目に流れる涙はウミガメの体を正常に保つための生理現象であって、決して悲しいわけでも、痛いわけでもないのです。

 

なんと、この塩類腺は海水の約2倍の濃い塩分に濃縮することが出来ます。

南館3階ウミガメ回遊水槽にいるウミガメたちは、人工の砂浜で休憩する姿も見られます。

上陸している時は、塩類腺から余分な塩分を排出していることがあるので、じっくり観察してみてください。

 

飼育展示第一課 松本