©2024 All Rights Reserved. Nagoya Port Foundation

スタッフコラム COLUMN

2021.03.24 カメ

子ガメの父親は?

2020年夏、名古屋港水族館では3年ぶりにアカウミガメが産卵し、合計207匹の子ガメが誕生しました。

子ガメの母親は『Cc97-11』というメスで、1997年に名古屋港水族館で生まれた繁殖個体です。当館で生まれアカウミガメが成長し、産卵・繁殖に至ったことは初めてで、飼育下で累代繁殖に成功したという意味で喜ばしい出来事でした。

2020年夏に生まれアカウミガメの子ガメ(名古屋港水族館での繁殖2世代目)

さて、【卵を産む】という行動を飼育係が目視で確認しているので、『Cc97-11』が子ガメたちの母親であることは疑いようがありません。

一方、父親は…?

去年の繁殖シーズンに『Cc97-11』と同居歴があるオスは『CcW-07』と『Cc95-25』でした。『CcW-07』は1991年に三重県浜島町(現志摩市)の定置網で捕獲された個体、『Cc95-25』は1995年に名古屋港水族館で生まれた繁殖個体です。

どちらが父親であるか調べるため、岐阜大学応用生物科学部に協力を仰いでDNAを用いた親子鑑定を実施しました。

その結果、子ガメの父親は『CcW-07』だということがわかりました。

もし、『Cc95-25』が父親であれば、水族館で生まれた繁殖個体同士の子ガメが誕生したということになりましたが…。

しかし、今回は当館で繁殖2世代目が初めて生まれた事実は変わりません。今後は『Cc97-11』と『Cc95-25』の恋の成就と、”完全な”繁殖2世代目の子ガメの誕生を待ちたいと思います。

Cc97-11
子ガメの母親
1997年に名古屋港水族館で生まれた繁殖個体(1世代目)

Cc95-25(オス)
1995年に名古屋港水族館で生まれた繁殖個体(1世代目)

CcW-07(オス)
1991年三重県浜島町で捕獲された個体DNA鑑定の結果、子ガメの父親と判明