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スタッフコラム COLUMN

2023.04.19 魚類

親子でも、深海魚でもありません!

現在、南館2階の黒潮大水槽には、体が大きいシイラと小さいシイラが泳いでいます。

「親子なのかな?」と思う方も多いのではないでしょうか。しかし、この水槽で展示しているシイラは親子ではありません。

 

皆さんはシイラがどの様な魚かご存じですか?よくお客様から「シイラって深海魚のシーラカンスと一緒の魚?」「あ!シーラカンスだ!」のような声が聞こえてきます。名前の響きは似ているかもしれませんが、シイラとシーラカンスは生活する水深も、その姿も大きく違う、別の種類の魚ですので、このブログでぜひ覚えてください!

 

シイラがどのような魚かといいますと…

成長すると最大2メートルにもなる大きな魚で、世界の暖かい海に生息しています。日本全国の沿岸から沖合にも分布しており、水面近くで生活しています。成熟すると、オスの頭は角張り、かなり四角い顔になります。一方メスは丸みのある顔をしています。体が小さい時は大きな群れを作りますが、体長1メートルを超えると、単独か雌雄のペアで生活します(水槽内でも小さなシイラは大きなシイラと比べ、群れになって泳ぐ姿が見られます)。ハワイでは「マヒマヒ」の名前で高級魚として知られ、ステーキやフライで食べられることが多いです。

さて、展示している大きなシイラは2021年末に名古屋港水族館に搬入された個体です。福井県で水揚げされた個体を漁師さんに頂きました。頭の先から尾鰭(おびれ)の先までの「全長」が、現在約1メートル。2個体ともメスです。まだまだ大きくなると思いますので成長が楽しみです!

小さなシイラは大きなシイラを搬入した1年後の2022年末に同じ場所で採れた個体です。搬入時は全長約40から50センチでした。いったんバックヤードの水槽で餌や環境に慣れさせた後、今年1月、体長60センチ程度に成長したシイラを黒潮大水槽に移動しました。現在は餌を食べてどんどん成長し、体は大きく、分厚く成長しています。

ちなみに、搬入時やバックヤードから黒潮大水槽に移動する時は、飼育員が手作業でシイラを運びました。水槽に入って海水ごとシイラを袋ですくう役割と、袋に入ったシイラを階段ダッシュして移動先の水槽まで運ぶ「シイラダッシュ」をする役割、シイラを袋ごと受け取って移動先の水槽にリリースする役割の3役に分かれて行いました。

(写真の水が黄色いのは、薬を入れているためです。)

 

例年、冬頃になると大きなシイラが弱ってしまい、入れ替わる形で小さなシイラを黒潮大水槽に移動しています。しかし今年は大きなシイラが無事に冬を越し、現在も元気に餌を食べ、泳ぎ続けています。

大小のシイラが揃った状態を見られる機会は多くはありませんので、ぜひ実際に見に来て、体の大きさの違いや、シイラの成長を感じてみてください!