羅臼に行ってきました!〜最終回〜
こんにちは!
〜その1〜
〜その2〜
〜その3〜
~その4~
~その5~
~その6~に引き続き
シャチ担当の宮嶋です。
このシリーズ?のブログはシャチの担当であるわたしが
北海道の知床、羅臼に行ってきた!という
いつもの飼育員ブログとは違ったテイストでお送りします。
シャチ、残念だったな…と
ぼんやりと、やるせない気持ちで漠然と海を眺めていると
「あー!マッコウ!!!
船長、3時の方向!!!」
とガイドさんの声が。
え~!マッコウだって!どこ?どこ!?
と、一気に船内が色めき立ち
皆、食い入るように双眼鏡を覗きました。
だんだんと距離が近づいていくのにつれて
心臓がバクバクしたのを覚えています。
はじめはブローだけが見えていたのが、
黒い背中が見えるようになり、
それが肉眼で見えるようになり、
呼吸をすると「あぁ、こちら側が頭なんだ!」と
身体の向きがわかるように…
船はじわりじわりと進み
気づけば
こんな距離に!!!
呼吸による浮き沈みで身体がやや浮上したときには
皮膚のしわしわまで見えるようになっていました。
やがて何度か
息を整えるようにゆっくりと呼吸するのを見ていると
「潜るよー!」とガイドさんの声が聞こえ、と同時に
ぐぐぐぐっと黒い腰(という表現は正しくないかもしれません)が
丘のように水面に現れ
(初日に、はるか遠くに見た“黒いお山”だ!と感動!)
その見えていた丘がもう一段、ぐっ、となったかと思うと
大きな尾びれが!
美しい弧を描くように現れ
音もなく静かに
垂直に下がっていきました。
息をのむ、とはこういう時に言うんだ、と
おそらく船に乗っていた全員が思わず息をのんでいたのか
尾びれの後縁が水面に消え去って、ほんの少しの間があってから
その場にいたそれぞれが、思い思いの歓声を上げました。
最終日、シャチは遠くの海に消えて行ってしまいましたが
音もなく海に潜っていくマッコウクジラの姿は
このブログを書いている今でも胸がどきどきしてきてしまうほど
脳裏に焼き付いて離れません。
さて
長々と書き連ねてきたブログも今回で終了です。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
初めは単純に
羅臼の海で出会った生き物たちのことだけを書こうかなと思っていたのですが
このブログを読むことで羅臼に行った気分を味わってもらえたら、と思い
このような内容になりました。
野生のシャチに思いをはせ
彼らの暮らす海、自然に目を向けるきっかけのひとつになれたら嬉しいです。
わたしもまたいつか、もう一度、彼らの海に足を踏み入れたいと思いました。
そのいつかの日まで、彼らには元気で、幸せに暮らしてほしいと思い
わたしたちの次の世代、その次の世代、その次の次の…世代の人が行っても
変わらず同じようにあり続ける
いつまでも多様な命が息づく海を守っていきたいと思いました。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
〈おまけ〉
最終日の夜は奮発して…
また羅臼に行きたいです!
※今回わたしは6月20日は貸切船、21日・22日は北海道シャチ研究大学連合(Uni-HORP)の調査船に同乗させていただきました。北海道シャチ研究大学連合のシャチの調査については今年の春先に“白いシャチ”の話題でメディアに取り上げられたこともありましたので、ご覧になられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
(密かに期待をしていたのですが、わたしは白いシャチにお目にかかることはできませんでした。)
北海道シャチ研究大学連合(Uni-HORP)の調査や活動、研究の成果について詳しく知りたい方は以下のホームページをご覧ください。