2023.11.04 イルカ
イルカたちのエサについて熱く語らせてもらいます☆ vol.2
食欲の秋ですね!
秋といえば、お芋、カキ、サンマ…おいしいものがたくさんありますね!私は栗きんとんが大好きです!!
さて、そんなあれもこれも食べたくなる秋、気になるのはカロリー(エネルギー、熱量)ですよね。
ちょっとだけ…と思って食べたドーナツが、こんなに高カロリーだったの?!という経験を皆さんお持ちではないでしょうか?
実は、名古屋港水族館ではイルカたちの餌をカロリー計算して管理しているんですよ。
イルカたちの餌にしている魚も動物ですから、季節やサイズによって脂の乗りや体内の成分が変わるため、食べたとき得られるカロリーも変わるんです。私たちは旬として、それを食卓で実感しています。先ほど例に挙げたサンマも秋になると脂がたっぷりのって美味しくなりますよね…(じゅるり)。
名古屋港水族館では常に3種類以上の魚をイルカたちの餌にしており、その獲れた時期や場所は様々です。そのため、下の写真のような太った魚の時もあれば、
痩せた魚(産卵後のようです)の時もあります。
どちらの方が脂が乗っていそうかは一目瞭然ですよね。
太った方が高カロリーで、痩せた方は低カロリーです。
高カロリーの魚を餌にしていたところから、低カロリーの魚に切り換えると、同じ量を与えていたのに体重が減ってしまうことがあります。
そのため、同じ時期、場所で獲れた魚をひとまとめ(ロットと呼んでいます)にし、購入する度に成分分析を行ってカロリーを調べ、ロット変更の度にカロリー計算をして1頭ずつ餌の量を調整しています。
イルカたちの健康的な生活のために、カロリー計算まで行っていることをお分かりいただけたでしょうか?
では最後に、イルカたちが毎日摂取しているカロリーをご紹介しましょう。
私たち人間の場合、成人男性でざっくり一日あたり2,000 – 3,000kcalが必要なようです(参考:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書)。
カマイルカ 10,000kcal!
バンドウイルカ 15,000kcal!!
ベルーガ 23,000kcal!!!
シャチ 77,000kcal!!!?
(いずれも名古屋港水族館における2001-2023年の摂取カロリーの平均値の概算)
!?
一番小さく見えるカマイルカでも私たちの3倍以上、シャチにいたっては25倍以上のカロリーが必要なんです!!!
これは身体が大きいのはもちろんのこと、体温が奪われやすい水中で、体温を維持するのにたくさんのカロリーが必要であるといった理由があるんですよ。
ぜひ、イルカたちの餌にも思いをはせながら観察してみてください。