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スタッフコラム COLUMN

2024.09.29 魚類

幻の魚 地方を超えて遥々と

2024年9月11日、黒潮大水槽にあの「幻の魚」がやってきました。
その名も…「スマ」です!

さて、スマはどこからやってきたのでしょうか?

飼育員が向かったのは、滋賀県を通り過ぎ~大阪を通り過ぎ~淡路島を渡り…行きついた場所は…なんと愛媛です。車で片道約8時間Σ(・ω・)!

搬入したスマは、愛媛大学南予水産研究センターにて新たな養殖対象魚種として完全養殖の研究を進める過程で譲って頂いた人工育成個体です。

搬入前日に打ち合わせをして、当日は午前5時頃に生け簀がある現地へ向かいます。

午前5時ごろの様子
↑午前5時頃の様子。水面に浮かぶ生け簀からスマをスムーズに収容できるように、生け簀横に活魚車が配置されます。

夜が明け、愛媛大学の学生の方々や先生と合流して作業開始です。

あらかじめ選別して頂いたスマを生け簀の中から一匹一匹すくい上げ、傷や擦れがないかを確認してから、荷台部分に水槽がついたトラック「活魚車」に収容します。

タライで状態を確認する様子
↑奥の生け簀からすくい上げたスマをタライに移して状態を確認して…

スマを袋に入れて活魚車へと走る!
↑タライから袋にスマを移し、活魚車へと急いで向かいます。

活魚車までバケツリレー
↑バケツリレーの要領で手渡されたスマは、活魚車の水槽へとリリースされます。

約50個体を1時間ほどかけて収容し終えたら、名古屋港へ向けてスマの8時間の旅🚛🚙出発!

活魚車の中で泳ぐスマ
↑活魚車の中のスマの様子。

飼育員は車で活魚車に伴走し、途中途中でスマの様子や海水に十分な酸素があるかなど確認しながら移動します。

海水中の酸素を測る様子
↑専用の機器を使って海水中の溶存酸素を測っている様子

水族館に到着したら、休む間もなく活魚車から黒潮大水槽へとスマを移します。

活魚車の水槽の壁にスマが衝突しないように気を付けながら、担架を使って捕まえて
担架でスマを捕まえる様子

大きなタンクに一度収容します。
大きなタンクに入れる

スマが入ったタンクを黒潮大水槽ある水族館の3階までクレーンで吊り上げて
クレーンで水槽上部まで運ばれたタンク

黒潮大水槽にスマをリリース。黒潮大水槽へ泳ぎだしていくスマ

収容完了!

黒潮大水槽内を泳ぐスマ

ジャーン!
無事に餌をもりもり食べております。

こんな風にスマがやってきたんです。

今回搬入したスマは体重が約400g、全長が30cmほどです。これからすくすく育ってほしいですね(^^)

飼育展示第1課 尾田 愛実