特別展「飼育係、南極に行く」の見方 「メガネカモグチウオ」編
第66次南極地域観測隊が南極・昭和基地に到着しました。特別展のライブカメラでは、「しらせ」が昭和基地近くに接岸している様子が確認できます。物資の運搬作業が終了すると、「しらせ」は海洋観測に出発するため、しばらくの間、見ることができなくなると思われます。
昭和基地近くに接岸した「しらせ」(ライブカメラ画像)
今回は、南館3階「南極の海」展示コーナーで紹介しているメガネカモグチウオという魚をご紹介します。この魚は、細長い体に鳥のカモのような平たく大きな口、そして目の周りに眼鏡のつるのような黒っぽい模様が特徴です。メガネカモグチウオは、南極大陸周辺の大陸棚、水深110~300mの海底に生息しているとされています。第64次南極地域観測隊が昭和基地周辺では初めて確認したこの魚は、水深約30mという、これまでの記録よりはるかに浅い場所にも生息していることが明らかになりました。私が参加した第65次隊で釣り上げた際の水深も40mで、これもこれまでの記録よりも浅い場所でした。生きたメガネカモグチウオを日本に持ち帰ったのは初めてで、展示するのも日本初の試みです。
日本初展示 第65次南極地域観測隊が持ち帰ったメガネカモグチウオ
また、第64次隊では、水中でのメガネカモグチウオの撮影にも成功しています。この撮影は、ガチャピンとともに南極観測隊に参加したフジテレビ南極取材班によって行われました。1月25日(土)には、フジテレビ南極取材班とお魚チームを招いて、メガネカモグチウオの貴重な水中映像の上映や、南極でのエピソードを語って頂く講演会を開催します。南極の水中映像と現場の貴重な話が聞けるチャンスですので、ぜひご参加ください。
水中のメガネカモグチウオ 撮影:フジテレビ南極取材班
第64次南極地域観測隊に同行したガチャピン