カマイルカの「アイ」が、前方宙返りのジャンプを習得しました！その名も「フロントフリップ」。

みなさんはどのようにイルカに種目を教えているのか気になりませんか？
この機会に、フロントフリップが完成するまでの道のりを簡単にご紹介したいと思います！

ステップ①ターゲットを追うことを教える

私が持っている棒がターゲットです

イルカには人間の言葉は通じません。
そこで一つの手段として、ターゲットという黄色い浮きのついた棒の目印を用いることでイルカにしてもらいたい行動を誘導することができます。
まずはターゲットを追うことを教えて、ここから次の行動に繋げていきます。

ステップ②ターゲットを追って水中で前転をする
ターゲットを追うことを理解したら、今度は水中まで沈めてみます。水中まで付いてきたらOK！次第にターゲットの動きを追いながら水中で一回転できるようになります。

ステップ③水上で一回転する
水中で回転することが身に付いたら、次は水上に体を出して回転するようにターゲットを水面に提示します。助走をつけて水上までターゲットを追いかけてきたらOK！そこからステップ②の動きができたら回転を教えること動きは完了です。

ステップ④高さを上げる
今度は高さを上げてジャンプの完成形に近付けていきます。ここでもターゲットを使いますが、ターゲットは長いものに変えてできるだけ高い位置で誘導します。そうするとターゲットに目掛けてアイが伸びあがってくるので、一番高いところで回転できたらgood！

ステップ⑤フロントフリップの合図を覚えてもらう
回転と高さが安定してきたら、ターゲットを出す前にフロントフリップの合図を見せます。その直後にステップ④をすることでアイが合図を覚えていきます。

ステップ⑥飛ぶ位置を教える
合図を覚えたら、飛んでもらいたい場所を教えます。ターゲットで水面をたたいて音をならし、ここだよーと誘導します。その位置で飛べるようになれば完成です。

完成形がこちら！！

いかがでしたか？
このようにいくつかの段階を経て、イルカの個性に合わせながら完成形まで導きます。
アイは毎日コツコツと根気強く取り組んでここまでできるようになりました。
アイ、本当によく頑張ったね！！！

実はこの種目にはまだ伸びしろがあります。
1回きりではなく、2回連続で飛べるようになることが最終目標です!
まだまだ進化し続けるアイを、そしてアイがいつかパフォーマンスでフロントフリップを披露できる日をぜひ楽しみにしていてくださいね！

飼育展示第二課　　竹田美汐