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スタッフコラム COLUMN

2025.04.13 その他

熊水槽

オーストラリアの水辺に展示している魚は入手困難な魚が多いので、裏のバックヤードで繁殖させながら展示を維持しています。

これらの魚を育成する水槽を増やそうと考え、新たに稚魚育成水槽を立ち上げました。

と言っても、私が作ったのではなく・・・私はこんな感じのこんな風に飼育できるスペースが欲しい!!とリクエストしただけ💦

すると、先輩飼育員があっという間に作成!!

飼育員には、工作をする技術も必要なんだな~と改めて感じました。

今度は、私も作成に挑戦してみます(‘ω’)ノ

 

さて、繁殖の第一歩として、まずは卵を確保しなくてはいけません。

繁殖させているレインボーフィッシュは水草などに卵を産み付ける習性があります。

そこで、水草の代わりに黒い毛糸の束を入れてみました。

なぜ、毛糸の束を入れたのかというと、水草を入れるのがもちろん一番よいのですが、

水草は枯れたり、解けたりして水を汚すことがあるため、水草の手入れも必要になってくるからです。

また、「黒」や「濃い緑」の毛糸というのもポイントで、濃い色の毛糸束のほうが、産み付けられた卵(1mmほどのサイズ)を発見しやすいからです。

早速、水槽に毛糸の束を垂らし、観察を続けます。

そして、毛糸に産み付けられた卵を確認できたら、親魚と一緒だと卵はもちろん、ふ化した赤ちゃんも食べてしまうことがあるため、毛糸の束ごと水槽から取り出し、稚魚育成水槽に移してふ化を待ちます。

稚魚育成水槽で、孵化した稚魚にエサを与えて、大きくなったら展示水槽にデビューしていきます。

さて、この水槽のように、底砂をひかずに生物のみ飼育する水槽を「ベアタンク」と言います。初めて聞いたときは、「えっ?!クマ??」と思いましたが・・・ベアはBare=裸という意味でした💦

ベアタンクは底に溜まったゴミが目立つので、掃除がしやすく、病気の予防にもなります。また、生物が目立つなどのメリットもあるんですよ。

最近はブタバナガメの子ガメを飼育している水槽に、裏で育てて成長したゴルディリバーレインボーフィッシュたちがデビューしました。

まだ、大人の魚に比べて小さいですが、元気に泳いでいます。

ぜひ、この機会に大人の魚と水族館生まれの子供の魚を見比べてみてください。

 

                                                               飼育展示第一課 松本智美