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スタッフコラム COLUMN

2025.05.06 無脊椎動物

ヤドカリのお家事情

 

名古屋港水族館のタッチタンクや身近な海の磯での人気者、ヤドカリ。

突然ですが、ヤドカリは何のなかまだと思いますか?✂

①貝のなかま

②エビ・カニのなかま

③ヒトデ・ウニ・ナマコのなかま

正解は・・・②エビ・カニのなかまでした!

ヤドカリの貝殻は、自分で作り出したものではありません。

その名前の通り、宿(巻貝の貝殻)を借りて生活しています。

エビやカニと同じように、体が大きくなると脱皮をします。

ホンヤドカリの脱皮殻

 

そして、自分の体が大きくなったぶん、宿(貝殻)が窮屈になるため

新しい貝殻にお引越しをします。

ですが、そう簡単に新しい貝殻が見つかるわけではありません。

時には魅力的な貝殻をめぐって争いになることも…。

こちらは他のヤドカリにひっぱられて貝殻から出てしまい、なんとか貝殻を取り戻したシーン。

このように、かわいい顔して意外と過酷な生活をしているのです…!

 

先日、そんなヤドカリの貴重な瞬間を撮影することに成功しました。

ひっこしそうだなとカメラを構えていたところ、なんと卵を持っていたのです!

ちなみに、卵を抱えたメスはこのようにオスに連れまわされることもしばしば…。

 

(1枚目:ホンヤドカリのペア、2枚目:ケアシホンヤドカリのペア)

 

この写真に写っているホンヤドカリ科のなかまは、左右ではさみの大きさが異なります。

オスは小さい左側のはさみでメスの貝殻をつかみ、大きい右側のはさみは別のオスがメスを奪いに来た時にガードするために使います。

メスの卵が孵化するまで離さず、孵化が終わると交尾(交接)をします。

 

孵化したヤドカリはゾエア幼生という名のプランクトンとして海の中を漂います。

脱皮を繰り返したのち、3mmほどの小さなヤドカリの姿となり、泳げなくなるため小さな貝殻を探しはじめるのです。

 

↓貝殻を無事にゲットできた小さなヤドカリの姿がこちら↓

(1mmマス方眼紙)

 

みなさんも、運が良ければタッチタンクでヤドカリが脱皮をする様子やデートする様子を見つけることができるかもしれません!

ぜひ探してみてください🔎

 

学習交流課 須原