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スタッフコラム COLUMN

2025.06.23 ペンギン

ケープペンギンの羽、みたことありますか?

皆さんは、ケープペンギンたちの羽を見たことがありますか?

全身のほとんどが羽で覆われているケープペンギンたち。今年も換羽の時期がやってきたためペンギンデッキの屋内スペースは床の上に抜けた羽が大量に落ちています。
毎日その羽を拾って掃除しているのですが、せっかくなので今年はそんなケープペンギンの羽がどんなものなのか詳しく紹介していきたいと思います!

ちなみに過去にも換羽について紹介しているブログがあります!是非そちらもご覧ください!
【2023 ケープペンギン換羽コレクション(リンク)】
【2024 ケープペンギンの換羽に密着(リンク)】

こちらがケープペンギンの羽です。


羽軸を挟んで左右対称の羽弁は水を通さない防水効果があります。
後羽は断熱効果があり、体温を保つ役割をしています。
加えて、羽には水をはじくために油が塗ってあり、海の中でも冷たい水が直接皮膚に塗れることはありません。油を羽に塗り付ける仕草は「羽づくろい」と呼ばれます。

ここで、エンペラーペンギンの羽と比べてみましょう!

サイズ感から大きく違ってきますが…
後羽の量にかなり差があるのがわかりますか?
南アフリカの南の端に生息するケープペンギンと、極寒の南極近辺に生息するエンペラーペンギンとでは後羽の量が大きく違いがあり、後羽がどれだけ体温を保つのに大切なのかがわかりますよね。

また羽と一言でいっても色んな形の羽があります。
①全身の羽

こちらは体の大部分を占めている羽です。
今回は全身とひとくくりにしていますが実は体の部分ごとで細かい長さの違いがあったり羽軸の太さに違いがあるようです。(画像の三種類だけでも長さや形が微妙に違いますよね。)

②尾羽

これは尾の部分の羽です。
全身の羽とはかなり違った形をしています。
触った感触も少し硬めです。
全身の羽に比べ羽柄の部分が長いですよね。

③フリッパーの羽

こちらはフリッパー(翼)の部分の羽です。
尾羽に形は似ていますがサイズ感はかなり違ってきます。
また、ケープペンギンたちは古い羽が抜けてから新しい羽が生えてきます。それに対して、南極付近に生息するペンギンたちは新しい羽が生えてから古い羽が抜けるようです。

ケープペンギンは眼の周りに地肌がむき出しの部分があり、それ以外の体の大部分が常に羽に覆われています。ですが換羽中は眼の周り以外でも地肌が見えたりするんです。

こちらは換羽後のケープペンギンです。
換羽中のペンギン4番と比べると、首元の地肌は羽に覆われ全く見えませんよね。

ちなみに南極付近に生息するペンギンたちの換羽の様子はこんな感じです。


ケープペンギンに比べ、地肌が全く見えませんよね!

いかがでしたでしょうか!
生息地の違いにより換羽にも違いがあったり、同じ個体から抜けた羽でもいろんな形があったり…ペンギンたちの換羽って、奥が深い!私も、知れば知るほど面白いなあ…と思いました。

換羽中のペンギンたちを見る際には、足元に落ちている羽にも注目してみてみると新しい発見があるかもしれませんよ!

飼育展示第3課 杉浦