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スタッフコラム COLUMN

2025.10.11 ペンギン

恋の激戦区!?

前回のコラムでも紹介しましたが、9月1日に巣材搬入を終え今年もジェンツーペンギン、アデリーペンギン、ヒゲペンギンが繁殖期を迎えています。

繁殖期が始まるとパートナーや巣材の取り合い、三角関係と様々なトラブルが起きます。そんなトラブルも今年はひと味違います。飼育係の間でDエリアと呼ばれているエリアになんとアデリーペンギンの三角関係が3つ(*_*)できていました。どこのペアがくっつくのかとみていると、次の日には全く違うところにいたペンギンか介入していることも。

今回はそんなアデリーペンギンの恋の行方をお伝えします!


①と②まではまだ、「今年も不倫やら三角関係やらドロドロしそうだな~」と見ていましたが、③くらいからぐちゃぐちゃし始めたのでコラムにしてみました。G♂がなんと3羽のメスペンギンに猛アタックしてDエリア抗争を巻き起こしていたのが印象的でした(笑)。

名古屋港水族館では、毎年のようにヒナが産まれていますが、同じペアのヒナばかりにならないように気を付けて繁殖を行っています。血のつながりの濃い者同士で繁殖を繰り返していると体の弱い個体が生まれやすくなることが知られているからです。そうならないためには可能な限り多様な子孫を残していく必要があります。多くの血統を残し遺伝的多様性を維持していくために、より多くの子孫を残していく必要もありますが、飼育スペースにも限りがあります。

営巣しているエリアが過密状態になることや、隣の巣との間隔が近すぎると喧嘩をして怪我をする可能性があります。それだけではなく、卵が割れる、ヒナが死んでしまうなどのトラブルで子孫を残したいペンギンの繁殖がさらに難しくなってしまいます。それらの理由から、今年はC♂とD♀はバックヤードへお引っ越ししてもらいました。

ここまでアデリーペンギンの恋の構図をお伝えしましたが、Dエリアにはアデリーペンギンだけではなくヒゲペンギンもペアを組み、巣作りをしています。毎年三角関係や抗争はあるものの、今年のDエリアはカオスでした”(-“”-)”。ペンギン浮気しすぎ!と思う方多いかもしれませんがペンギンたちにとって浮気・不倫は子孫より多く残すための戦略の一つなのです!ペンギンも人間も恋って難しいですね(>_<)。

 

飼育展示第一課 小林大樹