展示にデビュー!種から育てたアマモたち
今年の初夏、名古屋港内で、アマモの種子がずらりと並んだ“花穂(かすい)”を採取しました。
アマモには、次々と新芽を生やして群落を広げる「栄養株」と、春〜初夏に花をつける「花株」があります。
花株の茎の先端には、細長い袋状の器官が伸び、その内部に雄花と雌花が並んでいます。
この袋状の器官こそが “花穂(かすい)” と呼ばれる部分です。
6月頃になると、受粉を終えた雌花の跡に、小さな種子が花穂に沿って一列に並ぶようになります。
↑花穂の上に並ぶ種の様子です。写真の上の葉の種が一番熟成が進み、しっかりと一列に並んでいます。
海の中に生息するアマモですが、こんな風に多くの陸上植物と同じように、花を咲かせ、種をつくる植物なんですね(゚д゚)!
その花穂を水族館に持ち帰り、葉の部分をゆっくり分解して種を取り出す「腐熟(ふじゅく)」という工程を行い、さらに取り出した種をバックヤードの水槽で育てました。
↓取り出したアマモの種
↓バックヤードでの育成風景
発芽した芽は細い葉を1枚ずつ増やしながら、少しずつアマモらしい姿へ育っていきました。そして先日、ついに成長した株を「日本の海」コーナーのアマモ場水槽へ移植することができました🌱
バックヤードで見守っていた頃は、立派に育ってきたなぁと感じていましたが、展示に植え付けてみるとまだまだ小さく華奢な印象…
時折ギンポやナマコなどの水槽の仲間たちが植えたばかりアマモの上を通り過ぎることがあり、そんな時は「暴れないでよ?踏みつぶさないでよ?」と水槽の前でヒヤヒヤしています(;・∀・)
これから根を張り、葉を伸ばし、水槽内の魚たちがふっとひと息つけるような場所となりますように!
飼育展示第一課 尾田 愛実