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スタッフコラム COLUMN

2025.12.17 その他

公益社団法人日本動物園水族館協会(JAZA)「種保存会議」に参加しました

12月5日から7日にかけて、名古屋港水族館も加盟している公益社団法人日本動物園水族館協会(JAZA)の「種保存会議」が横浜市で開催されました。名古屋港水族館からは、館長である私と、ジェンツーペンギンの血統登録を担当している職員の計2名が参加しました。


名古屋港水族館職員のポスター発表

この会議は、動物園・水族館の重要な役割の一つである「種の保存(野生動植物の保全)」に関する事業の成果を会員に報告するとともに、生物多様性を守る大切さを広く普及することを目的としたものです。JAZA会員を対象とした本会議と、一般市民の皆様も参加できるシンポジウムの二部構成で行われます。

本会議では、「ライチョウの域外保全事業における10年のあゆみ」が報告されました。環境省、JAZA、加盟動物園、研究者が連携し、飼育下での保全と生息域内での保全を組み合わせた“ワンプラン・アプローチ”によって、多くの課題を乗り越えて成果を上げてきた点が特に印象的でした。ライチョウは氷河期から日本に生息し、現在では中部地方の高山帯でしか見られない貴重な鳥です。名古屋で暮らす私にとっても思い入れのある存在であり、今回シンポジウムでは取り上げられませんでしたが、ぜひ多くの方に知っていただきたい取り組みです。


主催者を代表して私がシンポジウムでご挨拶

一方で、名古屋港水族館を含む多くの施設にとって、「種の保存」に関わる事業に十分な予算を充てることが難しいという課題があります。皆様から入館料としていただく費用は、多くの場合、動物たちを見たり学んだりする体験への対価として考えられていると思います。しかし実際には、入館料収入だけでは飼育や展示を続けていくのが精一杯で、重要な役割である「種の保存」まで十分に予算を回せないのが現状です。これは私たちの情報発信や理解促進の努力がまだ不足しているのかもしれません。

ライチョウの保全事業は今後も継続される予定ですが、十分な活動を行うには資金が不足しているのが実状です。富山市ファミリーパーク(富山県)では、事業継続のためのクラウドファンディングを実施しています。興味のある方は、下記リンクからサイトをご覧いただければと思います。ライチョウ保全の歴史なども紹介されており、読むだけでも興味深い内容です。
クラウドファンディングはこちら


室堂のライチョウの親子

2年後には、「種保存会議」が名古屋で開催される予定です。少し先の話ではありますが、興味のある方は、ぜひシンポジウムに参加してみてください。

名古屋港水族館館長 栗田 正徳