2026.03.21 スナメリ
スナメリフェスティバルに参加してきました!
先日3月7日、8日に神戸港で行われた「スナメリフェスティバル@神戸」に参加してきました。
イベントは2日間にわたるもので、1日目は大学の先生によるスナメリに関する講演や研究紹介のポスター発表、ペーパークラフトづくりやエコバックづくりなどの体験コーナー、スナメリグッズの販売といった盛りだくさんな内容で、2日目はスナメリ観察航海と題して船に乗って瀬戸内海までスナメリを探しに行くというなんとも豪華な企画でした。
これらのイベントをどこで行ったかというと

なんとこの帆船!「BLUE OCEANみらいへ」です。
(帆を貼るマストがとっても高くて、船体すべてを写真に収めようとすると船乗り場の屋根がフレームインしてしまいました。)
わたしは水産系の大学に通っていたのでこれまでにもいろいろな船に乗ったことはありましたが帆船は初めて!
それもそのはず、「みらいへ」は、一般の人が乗船できる日本で唯一の帆船なのだそうです。
今回はそんな貴重な船の中、普段船員さんがお食事をとるお部屋(メスルームというのだそうです)を会場に、これまでに名古屋港水族館が大学や専門学校と共同で行ってきたスナメリに関する調査・研究を紹介するポスターを掲示し、来場者の方と直接お話しさせていただきました。
来場される方は神戸港に遊びに来た観光目的のお客様が多く、スナメリ?って何?という疑問にお答えすることからお話を始めることも多かったのですが、そんなお客様が名古屋港にイルカがいる!ということや、岸からも見られる!ということに驚いてくださったりしたことがとても嬉しかったです。
なかにはスナメリフェスティバルというだけあって、イルカ・クジラが大好き!スナメリが大好き!といったマニアなお客様もたくさんいらっしゃり、ちょっとディープな鯨類トークができたことも楽しかったです。
講演会では慶應義塾大学の岩田先生が大阪湾のスナメリやハセイルカに関する研究のお話をしてくださり、わたしたちも取り組んでいる水中マイクによる研究のお話もあったりと大変勉強になりました。
2日目は「みらいへ」が海へと出航!約50名の参加者のみなさんとともにスナメリを探しに出かけました。
神戸港から明石・加古川沖へと向かっていく途中には明石海峡大橋をくぐる場面も。
橋を下から見上げると遠近感が狂って見え、船が橋にぶつかってしまいそう!に見えて、ぶつからない!というスリル満点、大迫力でした。

〔遠くに見える明石海峡大橋〕

〔ぶつかる!?〕

〔ぶつからなかった~!〕
航路の途中には製鉄所や火力発電所、ガントリークレーンといった景色も見られ、名古屋港と似ているなぁと思ったり、かと思えば反対側を見ると大海原!水平線!といった景色が広がっていて、そこは名古屋港とは違うなぁと感じたり(わたしたちが普段、スナメリ調査をしている名古屋港内では船を走らせている間、右舷にも左舷にも工場やクレーンなど人工的な景色が見えるのです。)いろいろな発見がありました。

〔ここは名古屋港?と錯覚するような景色〕

〔こちらは名古屋港では見られないような景色〕
また、乗船中にはみんなで帆を張るセイルトレーニングを体験させていただいたり、落下防止のハーネスをつけて船首にある帆先のほうに行く体験をさせていただいたり、船の中の様々なお部屋、設備を見学させていただいたりもしました。

〔操舵室〕

〔整備をするときには帆先やマストのてっぺんまでこうして上っていくのだそうです。〕

〔デッキで食べた手作りカレーは格別の味でした!〕
そんな刺激的な航海でしたが、なかなかスナメリは見られず。
なんだか鳥や魚の気配も無く、今日はみんなどこいっちゃったんだろう、、、といった雰囲気の海でした。
しかし、午後になって遠くに姫路市が見えるあたりを航行中に一艘の小型漁船が走っているのを見つけました。
船の後ろには10~15羽くらいのカモメと思われる白い鳥が群がっているのも見えました。
スナメリが現れるとしたら絶対ここだ!と思い双眼鏡を向けると、ひょこっと2頭のスナメリが呼吸!その直後にもう1頭呼吸したのです!
反射的に「いたー!」と叫んでみんなを呼びました。
どうにかなるべくたくさんの人に見てほしいと、双眼鏡で追い続けながら場所を叫び続けていたら、ほうぼうからいた!見えた!という声が少し聞こえてきて胸をなでおろしました。
そのうち4、5回呼吸したのちにスナメリは姿を消してしまい、わたしも海から目を離し周りの人に聞いて回ると、見れた方も、見えなかった方もいたようでした。なかには一所懸命探してくれた子どもたちもいたのですが、見れなかったようでとても悔しかったです。
(そんなこんなでスナメリの写真は撮れず。重~いカメラを1日首から下げていただけでした!笑)
帰港の前には船内で航海の振り返りも行われました。
感じたことや印象に残ったことを思い思いに紙に書いて、参加者同士で共有しました。
みなさんのさまざまな感想を目にして、わたしまで温かい気持ちになりました。
名古屋港には冬にたくさんスナメリがやってくるので、わたしたち職員は日ごろからよくその姿を目にします。気づけばわたしにとってスナメリは身近すぎる存在になってきてしまっていました。
スナメリを見つけた瞬間の感動、その新鮮な気持ちを忘れかけてしまっていましたが、今回のイベントを通じて改めて思い出すことができたようにも思います。
名古屋港は運が良ければ岸からスナメリを見ることができるという、もっと大きなことを言えば地下鉄に乗って野生のイルカに会いに行けるという、とても恵まれたフィールドです。
今回の参加を通して学ばせていただいたことは、今後の名古屋港水族館でのスナメリに関する教育活動や、観察イベントに生かしていきたいと思います。
これからもたくさんの人にスナメリのことを知ってもらい、彼らが暮らす海のことを考えてもらうきっかけを作るような働きかけをしていきたいと思います。
飼育展示第二課 宮嶋桃子