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スタッフコラム COLUMN

2024.10.09 館内イベント

【写真展開催中です~その3~】

9月2日から10月11日まで『飼育係が見た、野生の姿2024』と題して、北海道の羅臼町でのシャチのフィールド調査の様子を展示していますが、皆さんご覧になってくださいましたか?
あと数日で終わってしまうので、まだの方は是非水族館へお越しください!

さて本スタッフコラムでは、さらに写真展の内容をさらに掘り下げてお話をしていますが、今回はその最終号です。
それでは順番に行ってみましょう♪

オスのシャチの大きな背びれ

雄のシャチの背びれは2mの高さに達することがあります。この個体の背びれは非常に大きく、さらに波打っており、まるで羅臼町の特産物の羅臼昆布のようだと、調査船の中で話題になりました。ここまで大きなシャチの背びれですが、中には骨も筋肉も入っていないということには驚きを隠せません。

背びれが曲がっているオスのシャチ

水族館の雄のシャチは、背びれがその大きさのあまり曲がってしまうことがあります。実際に当館で飼育しているアースも背びれを見てもらうと曲がっていることに気づくと思います。しかし、自然の海の中でも背びれが大きく曲がった個体がいました。どうして背びれが曲がったのか思いを馳せずにはいられませんでした。

ミンククジラとシャチ

奥に映っているのはミンククジラです。
2種の鯨類が至近距離で泳いでいる様子を見ることができて、改めて豊かなすごい海だと再認識しました。
ただ、自分より体の大きなクジラでも襲って食べてしまうシャチもいるため、この2種が近付いたときには、カメラを握る指に力が入ったのをよく覚えています。
しかしこの写真の後、ミンククジラの方からシャチの群れと同じ方向へ泳いでいき、なんだか拍子抜けしました。

ブローに虹がかかった奇跡の瞬間

最後に出会った群れのシャチを撮影したら、そのブロー(噴気)に虹がかかりました。奇跡!(>_<)

さて、みなさんいかがだったでしょうか。
今回の調査ではシャチたちが、それぞれの群れの中で遊んでいる様子や休息している様子を観察でき、その行動の一つ一つに、初めて野生のシャチを観察した僕でも分かるくらい、家族の愛や繋がりを感じました。
こういった行動の節々が、僕を含め多くの人の心を掴んで離さないのでしょうね。
なかなか写真だけでは伝わりにくい部分もあったかと思いますが、水族館という場所を通して、皆さんに少しでも自然で暮らすシャチや、その豊かな環境の魅力が伝わってくれていれば、と切に思います。

写真展にお越しくださった方は是非感想を教えてくださいね♪

飼育展示第2課 榊原正己