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2025.06.06 その他

目立つ海洋(漂流)ごみ:ポリ袋

漂流ごみ回収品の中でPETボトルの次に目立つ、水族館周辺では実質ナンバーワン量の回収物は、商品を包装していたり、お店で商品を買った際にものを入れたりする袋、いわゆるポリ袋です。こちらの「ポリ」もペットボトル同様いわゆる原料名。ポリエチレン、ポリプロピレンなどのことを指すそうです。少々年代が上の方はプラスチック製バケツのことをポリバケツ®と呼んだりしますが、これも原料名由来だそうです(ちなみにこちらは登録商標です)。

軽量・強い・水にも耐えるなどの三拍子そろった便利さは日常生活ではなくてはならないものです。ただその特徴はごみのそれとしてもそのまま残ります。

以前、まだレジ袋が無料でもらえたころメディアへの取材協力で、水槽で飼育しているウミガメの目の前にこれを浮かべるとどんな反応を示すかという撮影をしたことがあります。その刹那、ウミガメが大きく口を開けて有無を言わさず食べようとしました。

この迷いのないウミガメの行動を目の当たりにしたとき、ウミガメにはもちろんですがそれ以上にポリ袋に恐怖心を覚えました。あわててポリ袋を水槽から引き上げたのは言うまでもありません。ウミガメの歴史と比べれば、ポリ袋なんて新参者。その見慣れない浮遊物を、彼らが普段食べている餌と勘違いしても何ら不思議ではないのかもしれません。

下の写真は、死んで海岸に打ちあげられていた1頭のウミガメの消化管の中から回収されたプラスチック製品です。死因こそ不明ですが、これだけのものをおなかの中に入れたまま普通の生活をするのは大変だったろうと思います。

ポリ袋ですが、水族館周辺では破片が多い気がします。劣化が早いのか、それだけ野生動物の誤飲誤食の機会も増えるのかもと感じます。

また、集客施設周辺あるあるかもしれませんが、雨の後は、施設入り口でサービスとして提供している傘用の袋が漂っているのも目立ちます。施設の出口では回収箱も設置しているのですが、使用済みの袋が海にも浮かんでいます。もしもウミガメが見たらごちそうに見えるのでしょうか。

学習交流課 吉井