2025.12.20 魚類
繁殖しました
南館1階赤道の海コーナーにて当館で繁殖した魚の展示をしています。
繁殖した魚はバリアリーフアネモネフィッシュ(クマノミの仲間)とプテラポゴンカウデルニィ(テンジクダイの仲間)という2種類です。
どちらも2025年9月に生まれたので同じ水槽で展示しています。
どちらも小さくて可愛いのですが、プテラポゴンカウデルニィは少し変わった育て方をしたので紹介します。
プテラポゴンカウデルニィはメスが産卵し、オスが口の中でふ化まで卵を守る口内保育を行います。
水槽内で口内保育しているオスを発見し、安静のため別の水槽に移動しようとしたところ、口内の卵を吐き出してしまいました。
このままでは卵は死んでしまうのでオス親に代わって保育しました。
プテラポゴンカウデルニィの卵は「卵塊」という数十個がひと塊になっており、放っておくと沈んでしまいます。
卵塊全体に新鮮な海水を送り続ける必要がある為、卵塊を水中に浮かび上がらせ続ける仕組みを考える必要がありました。
そこで考案したのがペットボトル吹き上げ式水槽です。
構造はシンプルでペットボトルの底を抜き、逆さまにして飲み口からポンプで水を送るというものです。
初挑戦ではあるものの、卵塊もスムーズに舞い上がり、卵が発生していく様子も観察されました。
ペットボトル吹き上げ式水槽
卵塊は沈んでは浮き上がりを繰り返します

ふ化を控えた卵
生命の力強さを感じる良い眼をしています
卵の保育から2週間ほどたつと次々とふ化が始まりました。
腹には立派な卵黄がついています。
ふ化後しばらくは卵黄から栄養を吸収するのでエサは食べません。
ふ化した仔魚はまだ遊泳力がないためしばらくはボトルの中で舞い上がりながら生活します。
化したばかりの仔魚
全長約7mm
ふ化から10日ほどたつと卵黄吸収も終わり、親と同じような白黒模様が出てきてエサも食べ始めます。
実際にオス親が口内保育していた場合はこの段階で放出されます
今回はペットボトル育ちの赤ちゃんになってしまいましたが無事に育ってくれました。
展示は大きく成長するまでの期間限定ですのでぜひご覧ください。
飼育展示第一課 星野