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スタッフコラム COLUMN

2026.09.30 魚類無脊椎動物

三重県にて潜水採集を実施!

こんにちは!

水族館で展示する生物は様々なルートで水族館にやってきます。定置網・底引き網をはじめとした漁業への同行、胴長(胸あたりまで伸びている長靴)を履いての海や河口での採集、業者からの購入などが主なルートです。

今回はボンベを背負っての潜水採集を三重県南勢町にて実施してきました!

三重県での潜水採集は、10年ほど前までは頻繁に行っていましたが、荒天やコロナ禍の影響で未実施の期間が続き、昨年より再始動しています(許可を得て採集しています)。

そのため、どんな生物が採集ポイントに生息しているのか今一つ把握できておらず…。

昨年に引き続き、生物の採集と、生息している生物の把握のために向かいました!

 

朝出発し、車を走らせること約2時間。

潜水ポイントに到着しました~!

現場の透明度はおよそ3~5mほど、波が穏やかで風も弱いという好条件です!

 

さて、早速海に・・・ドボン。

↑ソラスズメダイ、ニッポンウミシダと潜水中の飼育係

 

水面から見た通り、水中の透明度はよく、うねりなどもなし。

しかし…水温が高くて、暑い!!

今回の潜水採集では、ウェットスーツではなく、水中でも体が濡れないドライスーツを着用しました。

当日の現地の水温は28.6℃。ドライスーツの中はサウナのようです。水中だというのに汗だくになり、結局びしょ濡れになってしまいました(笑)。

 

海の中は温帯性の魚類に加えて、本来は熱帯から亜熱帯に生息する魚の姿も見られ、にぎやかです。観察された生物をいくつか、写真で紹介しましょう。

↑ニジギンポ 瓶の中からこんにちは。

↑スズメダイの群れ。背中にあるワンポイントの白点がオシャレです。

↑オキゴンベ こちらを見てキョトン顔です。

↑サザナミフグ 尾柄部を折り曲げて泳いでいます。

 

ところで、どうして熱帯や亜熱帯の魚が三重県にいるの?と思った方、鋭いです!

日本列島太平洋沿岸には、南から北に向かって流れる“黒潮”が流れています。黒潮は世界でも有数の大きな海流の一つであり、その流れにのせられて熱帯や亜熱帯に生息する魚類が本州まで流されてくることがあるのです。これらの魚類は夏~初冬の特定の季節にのみ出現することから“季節来遊魚”と呼ばれています。季節来遊魚は冬季の低水温に耐えることができずに死亡してしまうことがほとんどです。このことから“死滅回遊魚”とも呼ばれます。ですが、近年では海洋の温暖化や、昨年まで続いていた黒潮大蛇行の影響などにより、これらの魚類が冬を越す例も複数確認されています。

 

さて、潜水採集に話を戻しましょう。

沢山の生物の中から、展示したい魚はいるかな~?と探していると…イテっ!!

ガンガゼに刺されてしまいました。ガンガゼとは毒のある長~いトゲに覆われている紫色のウニです。学生時代からガンガゼに刺されたことは複数回ありますが、私は何故か腫れたりしたことはなく…。ですが危険なことには変わりません。海の中は所によってはガンガゼだらけ!

↑ガンガゼの群れ。余談ですが、ガンガゼのてっぺんに見えるオレンジ色の目のようなものは肛門です。可愛いですね。

 

ガンガゼに加えて、可愛い名前とは裏腹に神経毒を備えているラッパウニも所々に転がっています…。

ガンガゼに刺されても大事に至らない私はラッパウニの毒性に興味津々!

どうする?触ってみるか…?

うーん…迷惑かけられないしやめておこう。

レギュレーターを食いしばってラッパウニを触りたい欲を抑えたのでした。

※神経毒なので非常に危険です。絶対に触らないでください。

↑ラッパウニ。興味をそそる見た目と可愛い名前。あ~触ってみたい!

 

ウニに気を付けつつ、午前と午後で合計3時間弱、潜水採集を行い、お目当ての一つであったウミシダ類の他、季節来遊魚数種類や、展示に向いていそうな温帯性の魚類などなどを採集することができました。

現在、日本の海コーナーにて、今回の採集で持ち帰ったトゲチョウチョウウオ、フウライチョウチョウウオ、ハコフグの幼魚を展示しています。どの魚もまだまだ小さく愛嬌たっぷりですので、ぜひ見に来てくださいね!

↑展示中の採集した魚たち

今回の採集で、今時期にどんな生物がいるのかはおおよそ把握できたため、次回はまた別の時期に採集に赴く予定です。その際にはまた、観察された生物や海の中の様子をブログで紹介しますので、どうぞお楽しみに!

長々とお付き合いありがとうございました。

 

飼育展示第1課 渡邊 陸