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スタッフコラム COLUMN

2021.06.10 魚類

名古屋港水族館初!ナヌカザメの卵を展示しました。

深海ギャラリーではトラザメ、ナヌカザメを飼育しています。トラザメは定期的に産卵があったため、その卵を展示してきました。ナヌカザメは長く飼育していたものの産卵はなかったのですが、昨年10月末に初めての産卵がありました!

まだ卵が腹部についた状態のナヌカザメ(ナヌカザメはタカアシガニと同じ水槽にいます)。

卵はいったん裏の水槽に収容し、定期的に検卵して有精卵か無精卵か、胚(卵の中で育っているサメの赤ちゃん)がきちんと成長しているかなどを確認します。トラザメは産卵から1週間ほどで有精卵かどうかわかるのですが、ナヌカザメの卵はなかなかわからず…。

何度か検卵を重ね、ようやく有精卵だとわかりました。待ち望んでいた飼育員は皆大喜びでした。

その後、卵の中の胚が順調に成長していることが確認できたので、トラザメの卵の隣に展示することにしました。名古屋港水族館では初めてのナヌカザメ卵の展示です!

左:ナヌカザメの卵 右:トラザメの卵

トラザメの卵と比べるととっても大きいですね。

卵殻の中で成長中の胚(ナヌカザメの赤ちゃん)。

卵はプラスチックのような半透明の殻に覆われていて、四隅には海藻やサンゴに絡みつかせるためのひげのような付着糸がついています。海岸に打ち上げられることもあり、この独特な形から「人魚の財布」と呼ばれているようです。透かすと中の卵が丸く見え、まるで金貨が入っているように見えたのかもしれませんね。

仔魚は約1年で親と同じ姿で卵から出てきます。名古屋港水族館生まれのナヌカザメを展示できる日を心待ちにしながら、成長する様子を見守りたいと思います。