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スタッフコラム COLUMN

2022.12.26 ペンギン

32歳直前でした

先日1990年に産まれて開館前から水族館にいるアデリーペンギンのAP-021が死亡しました。
このペンギンは中々ペア相手が作れずにいましたが、飼育係が協力して26歳の時に始めて繁殖に成功しました。その後も28歳の時にも繁殖して3羽のヒナを育てました。

今年に入ってからは立った際にふらつきが出るようになり、その影響か腹ばいで進むことが多くなったためか腹側の羽毛が擦れて地肌が露出するようになってきました。羽毛が無くなると体温の維持が難しくなってしまうため、寒くならないように海外の報告等を参考にウエットスーツを着せていました。一時期は展示水槽で過ごしていたため、もしかしたらウエットスーツを着たペンギンをご覧になった方もいるかもしれません。

その後、足の状態の悪化から展示水槽のプールでは構造上自力で上陸するのが難しくなり、溺水の恐れがあるため、プールから上陸するためのスロープが設置されているバックヤードで終生をすごしましたが老衰のため31歳と11か月で死亡いたしました。

野生のアデリーペンギンの寿命は最長で20年ぐらいだと言われています。水族館では厳しい野生と違い「老後」を過ごすことが可能となりますが、今後こういったペンギンについてどのように生活の質を整えていけるかこの先も考えていきたいと思います。