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スタッフコラム COLUMN

2024.01.23 魚類

冬の恒例!シイラの搬入!(前編)

毎日寒い日が続きますが、皆さんお元気でしょうか?私たち飼育員は、寒さに負けず元気に過ごしています!

昨年末、私たち「日本の海」を担当する飼育員にとって冬の恒例である、「シイラの搬入」がありました!
僕の好きな魚がシイラということもあり、この「シイラの搬入」は個人的にとても楽しみにしていました。
水族館で展示されている魚たちは、どのように水族館にやってきて、展示されるのか。その一例としてお楽しみください!

毎年、冬になって海水温が下がってくると、福井県の漁師さんから「今年もシイラが獲れ始めたぞー」と連絡をいただきます。
トラックの荷台に活魚タンクを積み込み、水族館から福井県の港へシイラを分けてもらいに出発です!

例年は10匹前後のシイラを分けてもらうのですが、今年は大漁だったということで20匹も分けていただけました!
シイラは成長すると全長2mを超えるほど大きくなる魚なのですが、この時のシイラは全長40cmぐらいです。

活魚タンクで運ばれるシイラ

写真を見て「なんで水が黄色いの?」と不思議に思った方も多いのではないでしょうか?
これは体についていた寄生虫を落としたり、漁の時に体にできた傷や移動の疲れ・ストレスなどが原因で病気になるのを防ぐため、活魚タンクの海水に薬を溶かしているからです。
薬を溶かした飼育水に生物を入れて治療することを薬浴(やくよく)といいます。

1匹ずつ袋に入れられ、運ばれるシイラ

薬浴を一定時間行って、いよいよ移動の準備が整いました!
活魚タンクからバックヤードの水槽までの移動は、袋で海水ごとシイラをすくい、走って運ぶ人力での作業で、私たち飼育員は「シイラダッシュ」と呼んでいます。

運んできたシイラたちはこのバックヤードの水槽で、新たな環境に慣れさせます。

水族館に到着した翌日から、エサとして釣り餌などで使われる「オキアミ」を与え始めました。しかし、シイラたちはオキアミを警戒していて、無反応だったり、避けるように泳いでいました。
底に落ちたエサはそのままにしておくと水が汚れたり、その匂いをシイラが嫌がって、オキアミを食べなくなってしまうことがあるので、毎日必ず掃除をします。
なかなかオキアミを食べてくれないシイラたち。根気強くオキアミを与える日が数日続いたところで、オキアミをくわえたり、食べる個体が徐々に増えてきました!

前編はここまで!
エサをオキアミからより大きいものに移行していく様子や、バックヤードの水槽から「黒潮大水槽」に移動させる様子、現在の様子などについては、後編で紹介します!

後編をお楽しみに!

飼育展示第一課 宍戸涼平