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スタッフコラム COLUMN

2023.01.25 その他その他

クジラの調査

大阪湾に迷入したマッコウクジラ「よどちゃん」の動向が世間の注目を集めていました。実は2009年5月に名古屋港の最奥部で死んだマッコウクジラが発見され騒ぎになったことがあります。

このクジラについて名古屋港水族館でも一部サンプリングを行いましたが、最終的に国立科学博物館や名古屋大学のグループによって詳細な計測や研究サンプルの採集が行われました。またその後4年をかけて骨格標本になり、現在は名古屋大学博物館に収蔵されています。

その後2021年12月には、巨大な貨物船がニタリクジラの死体をひっかけたまま名古屋港に入港するという出来事がありました。このクジラは日本鯨類研究所を中心に、名古屋港水族館、南知多ビーチランド、三重県総合博物館のグループにより計測やサンプリングなどの調査を実施した後に、焼却処分することになりました。このように書くと簡単ですが、実際にはクジラの死体が名古屋港に着いたのが12月14日で、調査ができたのが12月22日。解体の処理が完了したのが12月24日でした。巨大なクジラに対しては何をするにも大掛かりになり、その準備にも時間を要しました。さらに2022年7月にも、同様に巨大な貨物船がニタリクジラの死体をひっかけて名古屋港に入港することがありましたが、このときには死体を沖合に沈めるまでに2週間以上を要しました。それほどにも巨大クジラを扱うには日常の私たちの常識では測れない面があるのです。

ところで、先日紹介した野生のシャチの研究に関するクラウドファンディング。無事に目標を達成し調査継続のめどもたったそうです。野生のシャチの研究にも、私たちに想像のつかない苦労があることかと思います。

さらなる研究に向けてクラウドファンディングはまだ継続されているそうですので、興味のある方は下記ページをご覧ください(※2023年1月31日で終了しました)

シャチとヒトが共に生きる未来のために。知床・釧路の調査を拡充(三谷曜子(京都大学WRC海獣班) 2022/12/16 公開) – クラウドファンディング READYFOR