羅臼に行ってきました!〜その5〜
こんにちは!
〜その1〜
〜その2〜
〜その3〜
~その4~に引き続き
シャチ担当の宮嶋です。
このシリーズ?のブログはシャチの担当であるわたしが
北海道の知床、羅臼に行ってきた!という
いつもの飼育員ブログとは違ったテイストでお送りします。
早いもので滞在4日目となりました。
今日も無事に船は出港!
昨日は薄曇りでしたが、うって変わっての晴天です。
「こんなに晴れていて“凪ぎ”(波がほとんどないこと)
なのは羅臼ではめずらしいんだよ」
と教えていただきました。
昨日は宿に帰って、夢のような時間の余韻を引きずったまま
ウキウキしながらカメラのフォルダを確認したのですが
興奮による手ブレと、船の揺れによりカメラの中の世界がゆがんでいて
あぁ、なんであのシーンが上手く撮れなかったんだ、あぁ…と
後悔の嵐でした。
問題の写真(こんなショットが山ほどあります。)
今日こそは!と
波も少ないようなので気合を入れてカメラを構えておりました。
しかし!
昨日よりも変化のない時間が続きます。
青い空、青い海、知床の緑と国後の緑
が、永遠に続く世界です。
ずーっと双眼鏡をのぞいていると狭い視界が揺れて船酔いをしてしまうので
休み休みしながら
双眼鏡で眺めたり、肉眼で眺めたりを繰り返していました。
この日は上着を1枚脱ぐほどポカポカで、
さえぎるもののないあたたかな日差しとゆりかごのような心地よい揺れ
海の青、新緑の緑の世界の中で
うつらうつら…こくんこくん…
船上で舟を漕いでしまったこともありました。
お昼も過ぎ
あぁ今日はシャチは居ないのかなぁ
という雰囲気が流れはじめたころ、
(ちなみにお昼はそれぞれ持ち込みです。
船に湯沸かしポットがあるのでカップ麺が食べられます。
あったかいスープ!染みわたります。)
ついに、ついに!遠い遠い先にシャチが!
双眼鏡で観察していると、特にどこかに移動するわけではなく
のんびり、まったりとしているようです。
一か所にとどまるシャチの群れ
胸鰭を持ち上げたり
仰向けになったりいろんな動きを見せてくれました。
船は惰性で水流に身を任せ、流れるようにしながら方向だけを変えて
そんな彼らを観察していましたが
シャチたちはわたしたちの存在を気にも留めない様子で
どんどんどんどん距離が縮まっていきます。
(親子も近くに!)
あれよあれよと気づけば目と鼻の先!
あ、近づいてくる!と思った瞬間
うっすらと、水面のゆらぎの中に白いものが見えてきたかと思うと
徐々に形がくっきりしてきて
あ!と思ったときにはアイパッチがはっきりと見え…たかと思えば
同時に力強い呼吸、こまかなしぶきが高く上がって
わぁああ!
と興奮し、慌てふためいている間に
水面を切るようにして背びれが視界に現れ
弧を描くようにスーッとまた水面に引っ込んでいきました。
一瞬の出来事…
(あぁ…もっと上手く撮りたかった…)
それでも
頭の中には今でもその姿がスローモーションのように焼き付いていて
羅臼で見た、とても印象的なシーンとなりました。
野生のシャチの個体の識別をするのには
背びれや尾びれの形、傷(尾びれに関しては裏の模様)などが参考になりますが
背びれの後ろにあるサドルパッチと呼ばれる薄灰色の模様も
ひとつのポイントなります。
わたしの目の前を横切って行ったシャチは
サドルパッチが灰色の縁取りのような模様
(灰色で塗りつぶされていなくて、真ん中が黒い色)になっていて
背びれがスーッと水面に引っ込んでいく最中に見えたあの模様が
とても忘れられません。
その夜は、明日もあのシャチに会いたいな、、と
何度もその姿を思い浮かべながら眠りにつきました。
ここで〜その5〜は終了です。
早いものでいよいよ、明日が最終日です。
縁取りサドルパッチのあのシャチにまた会えるのでしょうか?
引き続き
〜その6〜にもお付き合いいただけると嬉しいです。
〈おまけ〉
夕飯にはホッケの開き
(夢だった1尾まるごと独り占めです!)を
おいしくいただきました♡