2024.04.06 無脊椎動物
「くらげなごりうむの似た者同士」
先日、くらげなごりうむのクラゲたちを見たお客様から、とある質問がありました。
「このクラゲと・・・このクラゲは同じクラゲですか?」
そのクラゲとは・・・
こちらのカブトクラゲと
ウリクラゲです。
たしかに、どちらも「有櫛動物門(ゆうしつどうぶつもん)」と呼ばれる仲間で、櫛板(くしいた)と呼ばれる細かい毛の束を動かして泳ぐクラゲです。
毒を持たないことや、光が反射して櫛板がキラキラ光るところなど、見た目にも体の構造的にも似たもの同士だと感じるのですが、同じ種類ではありません。
それぞれを比較すると実は決定的な違いがあります(・ω・)
有櫛動物門を、もう少し細かく仲間分けをすると、カブトクラゲは「有触手綱(ゆうしょくしゅこう)」、ウリクラゲは「無触手綱(むしょくしゅこう)」という仲間に分けられます。
カブトクラゲは「有触手」・・・つまり「触手」を持っているということ・・・?
触手というと、ミズクラゲやアカクラゲが持っている、傘から伸びている糸状の器官ですよね。
「あれ?カブトクラゲに触手なんてないじゃないか。」
そう思いますよね。いえいえ、あるんですよ~触手。
その証拠がこちら。
この個体は生まれて2カ月ほどの、大きさ1cmのカブトクラゲです。
ゼラチン質の体から下に向かって触手が綺麗に伸びています。
実は、カブトクラゲは生まれてすぐの頃は一対の触手を持っていて、成長と共に体に吸収されて無くなります。(しかし、刺すクラゲのように触手に毒は持っておらず、膠胞(こうほう)と呼ばれる粘着質の細胞でエサをくっつけて捕えます。)
それでは無触手綱のウリクラゲは・・・?
こちら生まれて2カ月ほどの大きさ1cmほどのウリクラゲです。生まれたころから触手は持っておらず、成長しても姿はさほど変わらないまま大きくなります。
それぞれの違い、お分かり頂けましたでしょうか(^^ゞ
現在、くらげなごりうむのクラゲラボのコーナーで、小さなカブトクラゲとウリクラゲを展示しております。是非、見比べてみてください(^^)一
飼育展示第一課 尾田 愛実