長年の調査結果をまとめました
なごや生物多様性センターが発行する”なごやの生物多様性 第11巻”に当館からの3編の報告が掲載されました。3編とも、長年の調査結果をまとめたものです。
1つ目は名古屋市内の川で目撃されたスナメリについてです。
2010年から2023年までの14年間で、名古屋市内の川で9例のスナメリの目撃例がありました。全国の川でのスナメリの目撃例の半分以上が名古屋市に集中していることもわかりました。
2010年に新川でスナメリを緊急保護
2020年に新川でスナメリを救助
2つ目は名古屋港内に死亡漂着したスナメリの記録です。
1999年から2021年までの22年間で、名古屋港内で15個体の死亡漂着がありました。名古屋港には冬から春にかけて多くのスナメリが来遊するのですが、死亡漂着のピークは5月でした。これは風向きなども影響しているのかもしれません。5月には新生仔の漂着も3個体ありました。
漂着したスナメリの写真は、お食事中の方もいるかもしれませんので、ここでは遠慮させていただきます。ご覧になりたい方は、ぜひ報告本編をご覧ください。
3つ目は名古屋港ガーデンふ頭の魚類相調査です。
1992年から30年間の間に名古屋港水族館のある名古屋港ガーデンふ頭で採取された魚類をまとめました。採集できた魚は46種類。数が多いのはボラ、サッパ、コノシロです(※コノシロは採集できていません)。稀な例としては、シロシュモクザメ、アマゴ、ナイルティラピアなどが確認されました。
2021年 名古屋港に現れたシロシュモクザメ
これらの報文は、「なごやの生物多様性」のウェブページからどなたでも閲覧することができます。
川のスナメリ(PDF)
スナメリの漂着 (PDF)
名古屋港の魚類 (PDF)
2023年には名古屋港ガーデンふ頭で採取された軟体動物のまとめ、同じく2022年には十脚目甲殻類のまとめも出版されていますので、興味のある方はあわせてご覧ください。
名古屋港の軟体動物(PDF)
名古屋港の十脚目甲殻類 (PDF)
飼育展示第二課 神田幸司