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スタッフコラム COLUMN

2025.06.10 その他

深海のファッショニスタ

皆さん、貝殻はお好きですか?
砂浜に落ちていて、きれいだからと拾って帰った経験がある方もいるのではないでしょうか。
そんな、皆さんにとっての「貝」のイメージを覆す不思議な貝をご紹介します!

それがこちら。

「え!?貝に貝が付いてる!?」
今回紹介する貝、その名も「クマサカガイ」です。

貝殻など様々なものが自身の貝殻に付いています。
これらは生まれた時から付いているわけではなく、クマサカガイ自身が海底に落ちている好みのものを付着させているのです!
貝殻を補強するため、カモフラージュするため、海底に沈み込みにくくするためなどの説があります。
様々なものを貝殻に付けている様子が、平安時代末期の大盗賊、七つ道具を背負っていた熊坂長範(くまさかちょうはん)に似ていることから、“クマサカガイ”という名前が付いたそうですよ!

さてそんなクマサカガイですが、実は付けているのは貝や石だけではないのです…
こちらは深海スロープに展示しているクマサカガイの標本。
よーく見ると、あれ?!

陶器のかけら!そしてプルタブ‼

くっつけ方にも好みがあって、二枚貝(アサリやシジミなどのグループ)は殻の内面が上になるように、巻貝は殻頂をくっつけていることが多いなど、なんともこだわりの強い深海のオシャレさんなのです(^^♪
まるで深~い海の底でファッションショーをしているようです!

そして、そして、このクマサカガイの標本はなんと…

クルミの殻!さらにはクマサカガイにクマサカガイが付いてる!?
見つけた瞬間クマサカガイを疑いました。まさかのまさか、仲間であったはずのクマサカガイの殻まで身に着けてしまうとは…オシャレのためならこんなこともしてしまうんですね…素敵です、クマサカガイさん!!!

そんなとっても不思議なクマサカガイは南館の深海コーナーにて現在4個体を飼育、展示しています。
深海で繰り広げられているかもしれないクマサカガイ達のファッションショーの審査員になった気持ちで見てみてくださいね!
面白いもので着飾っているクマサカガイに出会えるかもしれませんよ(^_-)-☆

クマサカガイ一つとっても、深い海の底にはどんな世界が広がっているのかなぁと考えるだけで、ロマンがいっぱいです。

飼育展示第一課 仲井夕稀