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2025.12.13 その他

マングローブ水槽 つながる命(続編)

今年8月、スタッフコラム「マングローブ水槽 すくすくと」で紹介しました「水族館生まれのオヒルギ」の続編です。

8月のコラムはこちら

8月のコラム公開後も、水族館生まれのオヒルギは順調にたくさんの花を咲かせました。
しかし…
受粉がうまくできず、種子がなかなかできません。

ヒルギ類は、種によって受粉の仕組みが異なります。
同水槽で飼育しているヤエヤマヒルギは、花が開ききる前のつぼみの段階で柱頭に花粉が触れ、自動的に受粉が成立することが多いとされています。


↑ 成長初期のヤエヤマヒルギの種子

一方、オヒルギは、開花後に受粉媒介者である鳥や昆虫の力を借りて受粉します。
当館のマングローブ水槽は南館3階の屋内。鳥や虫を館内に放つ…わけにはいきません🐝🐤

そこで、人の手で綿棒などを使い、おしべからめしべへと花粉をちょんちょんと付けて受粉を促しました。

ただーし!オヒルギは開花してから数時間〜1日ほどしか受粉可能なタイミングがありません。
タイミングを逃してしまうと受粉できず、せっかく咲いた花は種子を結ぶことなく、ボトボトと落下してしまいます(;ω;)

…あぁ。また落ちた。あぁ…またダメだ~。

そんな中、11月頭についに種子が実っているのを発見!

12月半ば現在、種子はさらに伸びてぐんぐん成長中!今のところ合計4つの種子が実っています。

このまま順調にいけば、初夏の頃にはこれらの種子は20㎝を越える長さまで伸びるはず。

南館3階のマングローブ水槽で、ぜひオヒルギの種子を探してみてください。
見つけた際には…実った種子が落ちぬよう、そっと見守っていただけると嬉しいです(^^)

 

飼育展示第一課 尾田 愛実