2021.12.09 無脊椎動物
板を使った生き物採集⑤〜応用編:実験板〜
これまでの観察(板を使った生き物採集①〜④)で、フジツボや二枚貝などの「付着生物」と呼ばれる生き物は、平べったい板や、立体的なカップにも付くことが分かりました。そこで疑問がひとつ。「この生き物たちは、特に好き嫌いなくどんなところでも付くのだろうか…?」
というわけで、こんなものを作りました。
実験① 色を変えてみよう!
左側は明るい黄色の板、右側は暗い黒色の板です(どちらも表面はツルツル)。下の丸いものは重りです。
では、実験①の結果はどうでしょう?
板を沈めて約3週間後…
黒い板に軍配!!
この実験では、海に沈めてから1週間後にはもうすでに黒色の方が人気でした。まだ沈めて日が短いので、そこまで多く付いていませんが、数か月経つとおそらくもっと違いが出てくると思います。
実験② 感触を変えてみよう!
左側がでこぼこ素材の人工のたたみ、右側がふさふさ素材の人工の芝生です。今までの物は、表面がツルツルしていましたが、それを変えたら何か変化が起こるのでしょうか?
それでは結果の発表です!
板を沈めて約1か月後…
たたみ圧勝!!
付いている生き物はすべてフジツボでした。
左側のたたみにはギュウギュウに付いているのに、右側の芝生はまだ緑色の部分が見えています。
そして面白い発見がもう一つ。次の写真を見てください。
これは沈めてから約2週間後の写真です。
たたみにも芝生にもぼちぼち付き始めた頃ですが、周りのツルツルの面にはもうすでにフジツボがびっしり…。
海から引き揚げた時、思わず、「あー!!そうきたかー!!」と一本取られた気になりました。
やっぱりツルツルが好きなのね。
まとめ
これらの実験から、フジツボたちは、どこでもいいからくっつくのではなく、自分にとってより良い場所を選んでいそうだということが分かりました。
今回は明るさと感触をそれぞれ比べてみましたが、もしかしたら生き物たちは他にも、いろいろとこだわりを持っているかもしれません。
一度くっつく場所を決めると、そこから一生動けないフジツボたちにとって、住む土地をどこにするかは、想像以上に重要な問題なのかもしれませんね。
みなさんだったら、どんな場所を選びますか??