2026.07.15 無脊椎動物
タコクラゲの赤ちゃんPart2
皆さんこんにちは!
名古屋港水族館で、またまたタコクラゲの赤ちゃんが誕生しました!
今回はPart2ということで…タコクラゲの赤ちゃんがどのように成長していくか、詳しくご紹介したいと思います!
Part1はこちら→タコクラゲの赤ちゃん|研究・教育|名古屋港水族館ホームページ<公式>
- ①卵から“プラヌラ幼生”へ
成体(大人のクラゲ)にもオスとメスがいます。つまり親クラゲが卵や精子を放出し、受精卵ができます。
受精卵が細胞分裂を続けていくと俵(たわら)型をした“プラヌラ幼生”になり、海中を漂いながら好きな場所で引っつき、“ポリプ”と呼ばれるものになります!
- ②“ポリプ”
イソギンチャクの様な姿に見えるかもしれませんが、触手(しょくしゅ)という糸の様な部分で餌を捕まえて成長します。①でも話しましたが、海底の岩などに付着して移動しません。
ポリプだけ見るとこれがタコクラゲになるのかぁって思いますよね!

「タコクラゲのポリプ」
- ③ポリプから“プラヌロイド”が出る
ポリプが成長すると、下の部分が一部分盛り上がり、ヤシの実の様な形になります。これを“プラヌロイド”と呼びます(写真の赤丸の部分)。プラヌロイドはやがてポリプから離れて海中を漂い、再び好きな場所で引っつき、ポリプに成長するのです!
・・・ちょっと難しいですが、ポリプは自分の分身(クローン)であるプラヌロイドを出して数を増やしていることになります。この増え方を“無性生殖”と呼びます。
「赤丸で囲った膨らみがやがてプラヌロイドに…」

「ポリプから離れたプラヌロイド」

- ④エフィラ(クラゲの赤ちゃん)
ポリプは、水温変化など周囲から何らかの刺激などを受けると形を変化させ、“エフィラ”になります。
エフィラの茶色の粒は、『褐虫藻(かっちゅうそう)』(藻類の仲間)で、タコクラゲとは共生関係なんです!
・・・ここもちょっと難しいかもですが・・・『褐虫藻』はタコクラゲの体内で光合成を行い、光合成で得られたエネルギーをタコクラゲに供給しています。反対にタコクラゲは、『褐虫藻』に住む場所を提供しているんです!🏠
ポリプから離れたエフィラは傘を上下にゆらゆらと動かして海中に泳ぎだします。いよいよ私たちがイメージする泳ぐクラゲの世界が始まります。
「㊨:ポリプ と ㊧※赤丸:エフィラ」

「泳ぎだしたエフィラ ※茶色の粒が褐虫藻」

- ⑤稚クラゲへ
最初は雪の結晶の様な姿をしていたエフィラですが、餌を食べて少し成長すると傘のくびれが無くなり、厚みも増して、私たちになじみのなるクラゲの姿になります! (※共生している褐虫藻からも栄養をもらえますが、自ら動物プランクトンを捕えて食べることもできます。)
「傘の大きさで5㎜程度の稚クラゲ」

- ⑥水玉模様と“付属器(ふぞくき)”ができる
稚クラゲがさらに成長していくと傘に水玉模様が現れ、“付属器(ふぞくき)”が生えてきます。
・・・付属器(ふぞくき)・・・タコクラゲの“口腕”(こうわん:傘の下にある、餌を採って食べるための器官)の下に生えている8本の棒のような部分です。
ちなみに、タコクラゲの名前は丸い傘の形や、付属器が本物の「タコ」と同じ8本 であることに由来すると言われています🐙
「赤丸部分が付属器 ※まだ2本しか生えていないですが…」

- ⑦やがて大人のクラゲへ・・・
小さなエフィラから始まった赤ちゃんですが、成長と共に大人のタコクラゲになっていきます。大きいものでは傘の直径で15㎝以上にも大きくなりますよ!
「傘の幅で8㎝位に成長したタコクラゲ ※↓矢印は先ほど説明した付属器」

現在くらげなごりうむでは、水族館で繁殖した稚クラゲ(傘の幅で5㎜程度)、先日沖縄で採集されたタコクラゲ(傘の幅で5㎝程度)を同時に展示しています!
見比べることができますので、タコクラゲがどのように成長するのか、ぜひ間近で観察してみてくださいね😊
「沖縄産タコクラゲ㊧ と 水族館で繁殖した稚クラゲ㊨」

飼育展示第一課 川松美空