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スタッフコラム COLUMN

2024.02.23 魚類

冬の恒例! シイラの搬入!(後編)

 

大変お待たせいたしました!

1月23日にアップした前編に引き続く後編です。

前編はこちら(冬の恒例!シイラの搬入!(前編))

 

前編では、水族館にやってきたシイラがバックヤードの水槽まで運ばれ、エサのオキアミを食べるようになったところまでを取り上げました。

その後、エサを食べ始めたシイラたちは、エサに向かって泳ぐスピードが徐々に速くなり、食べる量が増え、体も大きくなってきました。

次の段階はエサのサイズを大きくすることです。シイラを展示する「黒潮大水槽」では、オキアミではなく、頭を落としたアジを2㎝程度の輪切りにして与えています。ですから、輪切りのアジに慣れてもらう必要があります。

エサの変更は少しずつ慎重に行います。

まずは、オキアミの中に3枚におろしたアジの細切りを少しだけ混ぜて与えてみました。

ここで1つ、驚いたことがありました。

シイラたちはアジの細切りを避けて、オキアミだけ選んで食べていたのです。

それまでは、シイラは見つけたエサを基本的になんでも食べると思っていました。サメが血の匂いに反応するように、魚類は匂いで餌を判断することができますが、このとき用意したエサは、オキアミとアジを混ぜているので、匂いでアジかオキアミかを判断することは難しいはずです。この行動から、シイラはエサを見分けて食べていることが分かりました!

アジを警戒していたシイラたちですが、数日後にはくわえるようになり、食べる個体も増えてきました。ここでアジの割合を増やし、切り方を3枚おろしの細切りから輪切りに変え、大きさを黒潮大水槽のエサの大きさに少しずつ近づけていきます。

この頃には、エサに向かって泳ぐスピードはさらに上がり、動きも激しくなってきました。

魚同士がぶつかったり、餌に向かって泳ぐ勢いで壁にぶつかってケガをする可能性もあります。このままバックヤードの水槽で飼育を続けるのは難しそうです。

そこで、いよいよシイラたちを黒潮大水槽へ移動することにしました。

移動当日、バックヤードの水槽の水位を下げて、搬入時と同じように海水ごとシイラを袋ですくい上げます。

搬入時と違ってシイラたちは大きく成長し、元気なので、すくうのも一苦労です…

袋ですくったシイラは搬入時と同じく「シイラダッシュ」で運びます。ヒレのトゲで何枚も袋に穴を開けられてしまいましたが、17匹すべてのシイラを無事に黒潮大水槽へ移動することができました!

移動後しばらくは、他の魚たちの動きを気にしてエサを食べに来ませんでしたが、今では水槽に慣れ、2022年末に搬入した大きなシイラと並んで元気に泳ぎ回っています。

前編・後編に分けて、シイラが水族館にやってきてから展示されるまでの裏側について紹介しました。

「あのシイラたちはああやって運ばれてきたんだなぁ」「1年でこんなに成長するんだなぁ」とサイズの違うシイラを見ながら思い返してもらえると、成長を可愛く思えたり、今までとは違った見方ができるかもしれませんね!

飼育展示1課 宍戸涼平